【鮫川村焼却炉問題 総まとめ】
【福島県鮫川村焼却炉問題の本質】
福島県鮫川村で建設中の焼却施設では、日本で初めて、放射線量の比較的低い地域(建設現場のモニタリングポストは2012年12月14日現在で0.14μS/hを計測。これは鮫川村の中でも高い値)で、8000Bq/kg以上の高濃度放射性廃棄物(放射性汚染廃棄物対処特措法による指定廃棄物)が焼却されます。
焼却炉構造そのものやフィルタの性能が問題視され、何十万Bq/kgにも濃縮した灰の管理についても疑問が呈されています。
つまり、放射性物質を含んだ排気や灰が飛散し、放射能汚染が拡大することが懸念されるのです。
また、この焼却施設は鮫川村はもとより、隣接する浅川町・棚倉町・古殿町・石川町・塙町・矢祭町・いわき市、茨城県北茨城市などの水道水源地でもあります。
生命の源である水が汚染されて、どうして生きていくことができるでしょう。
さらに、建設中の施設は「実証実験施設」です。
環境省は、放射性廃棄物の焼却処分は大熊町や飯舘村での実証実験により安全性を確認したといいながら、「安全性を確認するために鮫川村で焼却する」とに摩訶不思議な説明をしています。
私たちは、鮫川村の焼却実証実験施設はモデルケースであり、ここで焼却処分の事実をつくることで、福島県年内はもとより、全国で高濃度の放射性廃棄物が焼却されることになるのではないかと、強く懸念しています。
これは、鮫川村だけでも近隣市町村だけでもなく、全国の放射能汚染拡大の問題なのです。
【問題点】
1 手続上の問題点
① 鮫川村での住民説明がないままに工事が始まったこと
(工事開始は2012年11月15日。鮫川村での住民説明会は12月25日。)
② 鮫川村では工事ありきの極めて不十分な説明会しか開催されていないこと
③ 水源がある近隣市町村には環境省及び鮫川村から工事着工前に一切の説明が無く、近隣市町村の住民は工事の存在すら知らないこと
④ 事前説明もせず、事後説明において十分な議論も尽くされていないのに環境省は工事を停止しないこと
2 焼却施設の技術的問題点
①元請けの日立造船は、焼却炉建設の実績がない
②建設予定の傾斜回転炉は、不完全燃焼を招き、事故を起こしやすいとの事例がある
③バグフィルタに性能は専門家により疑問視されているが、環境省による十分な説明は一切ない
④フィルタの交換時期など、放射性物質飛散防止のための重要事項の説明が一切ない
⑤中間貯蔵施設ができるまで保管するという灰はどのようにセメント固定化するのか
⑥フレキシブルパックに梱包された灰は本当に漏れ出すことはないのか…etc.
環境省は安全であると繰り返しますが、その根拠は薄弱であると言わざるを得ません。
by iwaki_make_future
| 2013-01-12 15:50
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